2013-09-26

Marvel's Agents of S.H.I.E.L.D. 見た!


ヒーロー映画『アヴェンジャーズ』のスピンオフTVドラマシリーズの Agents of S.H.I.E.L.D. を見ました。アヴェンジャーズにも出てきた支援組織 S.H.I.E.L.D. の人々の活躍を描いたシリーズ(の予定)。つい先日、第1話が放映されたところで、さっそく amazon にも来てたので見た次第。

アヴェンジャーズの映画シリーズでは小物っぽい感じでちらほら出てくるエージェントコールソンをリーダーに、スーパーヒーローの能力を持たないエージェントたちがさまざまな超常的な事件に対処するというドラマ(になる予定)。

いや、良かったですよ。第1話だけで結論を出すのは気が早いけれど、各キャラを紹介し、作品世界を紹介し、超常能力にもとづく事件が起きて解決し、敵っぽいヤツもちらりと登場させ、というひと通りのことを45分かそこらでやって見せる手際の良さ。それでいてストーリーも悪くない。

先も楽しみです。

あと面白いなぁと思ったのは、この話は当然『アヴェンジャーズ』のストーリーは全部あるというのが前提になってるってことですかね。冒頭の次のセリフはいい感じで微苦笑。
A little while ago, most people went to bed thinking that the craziest thing in the world was a billionaire in a flying metal suit.  Then aliens invaded New York and were beaten back by, among others, a giant green monster, a costumed hero from the '40s, and a god.
などなど。

が、いっぽうで……いっぽうで、やっぱりどうも思うところもある。スノーデン事件以降、やっぱりこういう「国家の運営する諜報機関」というものを見る目というものが、少し変わってしまったことを自覚する。S.H.I.E.L.D.ってモロにアメリカの秘密機関だしね。S.H.I.E.L.D.のHはhomeland(国土)のhなのだ(少なくとも本作ではね)。

フィクションのほうは何も変わりない。見る側の意識が、すこし変わったのかも。ただまぁ、ドラマはそういう難しい問題には立ち入らず、楽しく見られる娯楽作品となると思うので、そういうふうに期待します。

2013-09-20

『ヴィンランド・サガ』[13]



『ヴィンランド・サガ』[13]

ついにトルフィンがレイフと会い、ヴィンランド行きを決意する巻。いっぽうでクヌート王は軍勢を率い、ケティルの農場側とついに戦争に突入する。

本巻でついにトルフィンは父の意を継いだ戦士として覚醒し、争いから隔絶した楽土を作るということでヴィンランド行きを決意する。このシーンは感動的であるものの、同じく戦いを体験して悲観から自力での地上の楽土を作ることを決意したクヌート王とかぶる。というわけで、ようやく北海帝国のクヌート王とトルフィンという近い時代の人物をうまく組み合わせて対比させるというこころみがわかってきて、物語が重層的になってきた。

トルフィンにせよクヌートにせよ、この作品のキャラクターたちはみな歴史上の人物であり、ヴィンランドの入植や北海帝国の行く末については実は決まっている。もちろん作品自体は歴史ものというよりはフィクションであると思われ、物語の内容は様々な歴史的事実やトルフィンについて描いたサガのなかみなどとは、おそらく完全に整合することを目的としていないと思われる。とはいえ、細部は異なったとしても大筋の流れを変えることはないだろう。そんでもって、彼らの決意は、残念ながら、意図したような結果を残さない。トルフィンの入植は最終的には放棄されることになるし、クヌート王は41歳で死に、北海帝国はその後すぐに崩壊してしまう。

が、それがどう語られるのか、というは今後の楽しみだ。

2013-09-14

アメリカに来て1年経った

昨年9月8日にアメリカに来たので、いつのまにか1年が経過していました。

長いような短いような感じです。1年間を振り返ってみて……まあ、とくになんの感慨もないのですが、ひとまず、なんとか、生きて行けているようです。この1年、どんなんだったかというと、

日常生活

まあなんとなく安定しているようです。基本的にインドア派だけどテレビとかは見ないという人間なので、それほど日本とかわりない生活が、それなりにできているように思います。日本語の本は、輸入することになるので、高いけど。

飲食物については、事前にわかっていたことではありますが、とくに問題なく過ごしています。日本でないと食べられないようなものというのもたまにありますが、そういうのはたまに日本に帰った時に食べればいいかな、という感じ。あと、学生時代にやっていた料理みたいなことを再開しています。

体重は微増。日常的には増減なしなんですが、たまに何かあったりすると、そこで増えたまま戻らず、みたいなパターンですかね。アメリカの食べ物は基本的に日本よりずっと多いので、多少は注意しています。平日、会社で食べると量の調整が効きやすいのは良いですね、といってもあんまり制限してませんが。

仕事

仕事内容は東京にいたときと基本的には変わらないわけですが、まあまあぼちぼちやっていけているようです。内容自体はたいして変わってないですが、環境にはじゃっかんの変化はあり、こちらでの仕事は気に入っています。環境といえば机も立ち机に切り替えましたし。

英語

英語のはなしは最近ホットですねw
英語については、上達したなあという面もあるのですが、大してうまくなってないなあという面もあります。聞く方の能力は、まあまあ向上したかなという気もしますが、しゃべる方はどうでしょうか。デタラメでも案外通じる、ということがわかっただけかもしれません。日本にいるガイジンと片言の日本語で会話したことのある経験があればわかると思いますが、片言でもそれなりになんとかなるわけです。

あとなんか自分の英語の能力が低いところでサチっているんじゃないか疑惑というのもありますが、さてはて。

知己

こっちに来たばかりの頃はマジで社外の知り合いはなきに等しかったのですが、それなりに知り合いもできてきました。根が引きこもりなので、知り合いネットワークが広がっているというほどでもないですが。ともあれシリコンバレー、あんがいと日本人も多いです。

クライミング

ロッククライミングといえばヨセミテが聖地なんですが、まったく行っていません。というか外岩にはまるで出かけていません(それなりに岩場はあるようですが)。でもまあそれなりの頻度でクライミングジムに行ってボルダリングをしています。こちらのグレード表記(Vグレード)にも慣れました。でもまぁあんまり上達していません。

今後の抱負

ええっと、なんだろう。まあこの調子でのんびり行きたいな、と思っています。もうちょっとあちこち近場に出歩くのもいいかな。

まとめ

ぼちぼち生きてます。

2013-09-10

2006年のウェブとこれまでの7年

2020年東京オリンピックということで、これから7年後のことについ思いを馳せるのは人間の性みたいなものだし未来について思うのもいいことだと思う。

が、そういうことはいろんな人がちゃんとした見解を述べてくれると思うので脇に置くとして、この7年間のウェブはどう変わったんだろう? ということがふと気になった。今から7年前、2006年のウェブとはどんなものであったか?

振り返ってみよう。

まずはオリンピックを視聴するという観点から動画サイトってどうだったっけ、というのを考えてみると、YouTubeの設立は2005年だから、もう存在していた。でも雰囲気はだいぶ違っていたように記憶している。2006年ころにはアニメやテレビ番組の動画がアップロードされまくっていた時期かな。当時、こういう動画共有サイトに公式動画を上げるという考え方はなかったと思われる。著作権クレームもなかったし、パートナープログラムのようなものもなかった。Googleに買収されたのが2006年9月。

ニコニコ動画は会社設立は2006年12月のようだが、YouTubeの上にオーバレイするサービスがはじまったのは2007年とのこと。つまり当時はニコ動はなかったわけだ。ほかの動画共有サイトはだいたいもっと新しい気がする。Vimeoなど2011年発だから後発もいいところ。

じゃあネットで番組とか見られなかったのか? もちろん見られた。当時は GyaO! みたいなサービスがあった。

ソーシャル面では、当時の日本はミクシィ全盛時代。イー・マーキュリーが株式会社ミクシィに社名変更したのが2006年。twitterの設立は2006年9月だったようだが、2006-2007年ころはまともに日本語は使えず、日本人ユーザもいたが、日本語で投稿するための方法を模索していたぐらい。

facebookが「学生専用」というのを外してだれでも使えるようになったのも2006年9月のことのようだ。ニュースフィードが登場したのも2006年9月で、それ以前は「友達のウォールに書き込む」という文化だった。Googleはorkutを運営していて、インド人とブラジル人に専有されていたのはこのころ。言うまでもなくLINEはない。

はてなブックマークは2005年から存在していた。2ちゃんねるも、もちろんあった。電車男が2004年。2chコピペブログの歴史はしらないけれど、「痛いニュース」の最初の記事は2005年12月3日だったようだ。はてな匿名ダイアリーが2006年9月にサービスイン。この辺の人たちのネット利用形態ってそれからずっと変わってないってことか……?

WindowsはXP全盛時代、Vistaがリリースされたのは11月のことだったが、評判はあまりよくなかった。Mac OSXはTigerの時代。ブラウザとしてはChromeは存在しておらず、普通のユーザはもっぱらIEを使っていたということになるだろう(MacならSafariだったかなぁ。ぼくはFirefoxかCaminoを使っていた気がするが……)。

iPhoneはまだなかった。Androidもなかった。スマートフォンというのは、Blackberryみたいな、細かいフルキーボードのついてる携帯電話のことで、利用者はものすごく少なかった。あぁWindows CEというのもありましたね……。ふつうの人は i-mode とかを使ってケータイ向けサイトを見てた。ケータイ向けサイトといえばケータイ小説が流行ったのもこのころかも。恋空は2006年に書籍化。

---

ようするに、この7年間で、ネット利用環境は激変したといって差し支えない。書き連ねればもっとあれこれ栄枯盛衰があると思うけれども、やりすぎるとジジイの繰り言になるので(すでになってるが)これ以上は書かないことにしよう。

さて、7年後のネット利用環境はどうなっているだろう? 人々はオリンピックをどう視聴し、どう共有しているんだろうか? おそらく何もかも変わっているだろうと思う。今では影も形もないようなデバイスを使い、まだ構想されてもいないサービスを使っているはずだ。

そうなることを期待したい。

2013-09-09

シリコンバレーの外国訛り

+Yoshifumi YAMAGUCHI の翻訳で「英語は私にとって15年にわたって悩みの種です」を読み、原文とPaul Grahamの問題の文章をざっと眺め、id:yomoyomo氏のPGの文章の訳も読んで、こころに浮かんだモヤモヤを書き下しておきたい。

シリコンバレーへのニューカマーであり、英語が得意というわけではない(婉曲表現)自分ではあるが、正直なところ、ぼくはあんまりこの Antirez 氏の文章には共感できない。PGの言わんとしていることのほうがよくわかる。

本題に入る前に、ざっと自分がどう読んだかを書くと、PGの文章はスタートアップのファウンダーにとっては強い外国訛りが不利になる、という話である。その理由として、周囲の人間が何を言っているかすぐに理解できないというのは、周囲にアピールすることの多いファウンダーにとってはけっして好条件ではないからだ。

いっぽう Antirez は、15年かけて英語もなんとかなってきたけど、やっぱりしんどいのは確かで、外国訛りで聞き取りにくいとかそんな理由で閉じこもるのはまずいと言う。そして、そういうふうに発音という面で崩壊している英語っていう言語はどうにかならないのか、というか、どうにかすべきなんじゃないか、と言う。

ぼくはPGの文章に理解を示したので、個人的にポイントだと思うところを強調してある。言うまでもなく、PGが拠点としているシリコンバレーはものすごく外国人が多い。ビザ持ち、グリーンカード持ち、市民権は取得したけど外国生まれ、そういう人たちで溢れている。サンノゼ市の人口統計によれば最大多数の人種はアジア人(中国などの東アジア系とインドなどの南アジア系を含む)だそうだし、サンノゼで一番人数の多い姓はベトナム系だと聞いたこともある。そういう環境なのだ。

ぼくはPGとは会ったこともないから断言はできないが、そういう環境では、相手が多少は訛っているぐらいはどうっていうことはない。アメリカ生まれのネイティブ・スピーカーのほうが会う率は低いかもしれないレベルだ。正直、自分の英語はかなりひどいと思うが、それでもある程度やっていけるのはこの環境だからというのがある。

だが、そういう環境だからこそ、尋常じゃないほど訛りのきつい人というのもけっこういる。自分の周囲にも、かなり訛りのある中国人もいるし、前はマネージャーがフランス人で、フランス訛りの英語は正直たまに何を言ってるのかわからないこともあった(単語の発音がことごとくフランス風なので……第二外国語がフランス語でちょっと助かったと本気で思った。いい人なんだが)。それでも、従業員である分には、まあなんとかなっていると思う。だが、ファウンダー、しかもあちこちにアピールしなければならないような(PGが相手にするような)初期のスタートアップでは、まあ、しんどいというのは確かなのではないか。スタートアップをやろうという熱意ある若者では、言語の学習がおろそかになっている人も多かろう。

そして Antirez 自身も書いているが、慣れていない第二言語を使うときは、ときに性格すら変わってしまう(ように見える)こともある。どんなに外向的な人でも、うまく言葉にできないというのに他人に話しかけたりはできない。それもまた、ファウンダーとしては不利なポイントになる。言いたいことは母語ではあるんだけど、英語でなんていうかわからなくなったりする。難しい概念や婉曲表現、こみいった言い回しをうまく英語でしゃべれないので、深い話ができない。こういうのは、 instead のあとに of を入れ忘れるとか、そういう可愛い話じゃない。

Antirez はイタリア在住だそうだが、ぼくの勝手な推測では、中国人やインド人と英語で仕事をした経験があまりないのではないか。たとえ外国語として英語をしゃべっていても、同じような文化の人間のしゃべる英語と、まったく違う文化圏の人のしゃべる英語はかなり雰囲気が違うものだ。多くのイタリア人が他のイタリア方言を聞き取るのがさほどしんどくないと言うが、話者人口とそのダイバーシティは関係していないか?

また実際問題として、ネイティブであるほうが聞き取り能力も高いと思う。インド英語も、ぼくにとってはちょっときついというか異質すぎるなあと思っていても、英語ネイティブな人はさほど問題なく聞き取れていたりする。そういうもんである。そしてシリコンバレーの人々は、かなり外国の訛りには寛容なほうだとぼくは思う。むしろ、そういう人ですら「これはちょっとまずいかも」と思わせられるようなレベルの人、というのがゴロゴロしていてそういう人の話なのだ、というのが、わかってないんじゃないかな、と思ったのだった。

これは英語という言語の問題というより、むしろそれがリンガフランカとして発達しているから、すなわち世界中あちこちの、まったく異なる文化の人々が学んでいるから、という点と関係がある。だから仕方ないとも言えるのではないかと思う。こういう多文化な人々が話す言葉が、ひとつの発音大系に収束するなんて、そんなのありえなくね?というのが個人的な雑感。

あと、彼の論点には、綴りと発音がまったく対応していないという問題が含まれている(というか、 accent と単語の発音の問題を混同している)。確かにその面で英語は壊れた言語なのだが、訛りの問題とそれとは、別の話だろうと思う。

2013-09-04

stand-up desk はじめてみました

※イメージ曲を適当に貼り付けております

会社での仕事環境を、最近なにかと話題の stand-up desk に切り替えてみました。健康にいいとかどうとかみたいな具体的な理由があるわけじゃなくて、なんとなくかっこよさそうだったから、といった程度の理由なのです。その向こう側になにもなくても構わないかもしれません。

東京にいるとき、この机にしている人はほとんど見かけなかったのですが(なくはなかったけど)、こちらではなんか流行っていて、ぼくの周辺では1/3〜1/2ぐらいの人が何らかの stand-up desk で仕事をしています。まあ単なる会社内流行、またはチーム内流行だったりするのかもしれませんが。うちの社内では、申請すれば机ごと入れ替える感じでスイッチできます。

切り替えて一週間ほどですが、まあ今のところ悪くはないです。後悔した、とか、戻したくなった、といったこともなく、ふつうに立って仕事をしています。いい感じです。

よくある質問に対する答え:

Q. ずっと立ちっぱなしなの?

A. いいえ。
デスクには椅子は残っています。デスクのほうの高さを自在に調節できるか、もしくはスツールみたいな高さの椅子が配備される感じです。周囲を眺めてみても、半分ぐらいの時間は座って仕事をしているように見えます。
あとぼくは、たとえばお茶を淹れにミニキッチンに行くついでにその辺の席で座って軽く休憩、みたいな感じで、適当に座りつつやっています。
「立ったままの仕事もできるデスク」というほうが正確かと思われます。

Q. 疲れない?

A. まあ実際、疲れるっちゃ疲れます。一日が終わると、足がいたくなったりはします。
とくにぼくはまだ入れ替えて一週間といったところなわけですが、こういうのは慣れも大きいでしょうし。
あとマットを買いました。ちょっと高いけど(ちなみにこれは自腹)、 "Stand-up Desk Heaven" というアツいレビューに負けました。足の負担がかなり軽減されそう。これもいい感じです。

Q. 座って仕事するよりもむしろ良いよ、っていうところある?

A. うーん、なんかあるかな……。
今のところは、よくわからないですね。姿勢は良くなりそう。(立ったまま暇つぶしとかする気にあまりなれないので)仕事には集中できそう。……でもまあ暇つぶしを全くしないかというと、まあ正直、立ってようが座ってようがすることはあるよね。うむ。

Q. 切り替えて悪くなったこととか、ほんとにない?

A. まだ一週間なんでアレですが、いまのところありません。
構造の関係か、姿勢の問題か、机がちょっと揺れやすくなったかなぁ。まあそんぐらい。

Q. ほんとに健康にいいとかメリットあったりするの?

A. 知りませんし、あんまりその辺は興味ありません。

Q. っていうかなんで流行ってんの? なんなの?

A. やっぱなんかちょっとかっこいいからじゃないでしょうか。