2013-11-18

Thor: The Dark World

マーベルの『アベンジャーズ』第2シーズン2作目、「ソー」の映画としても2作目となる『マイティ・ソー/ダークワールド』(→公式日本版公式)を見てきました。

なかなか良かった。個人的には前作の『マイティ・ソー』より好き。

というか、個人的には前作の『マイティ・ソー』は今ひとつだったと思っていて、というのは『アベンジャーズ』の舞台設定のための物語(ひらたく言うと、悪役であるロキのオリジンの物語)になっていて、ソー自身の物語としては浅い気がすること、アスガルドやヨーツンヘイムなどの異世界と地球を行き来する物語にしようとしているものの、地球側のキャラクター(とくにヒロインのジェーン・フォスター)があんまり活躍しないなあというところ。

本作も『アベンジャーズ2』のお膳立て的な面がじゃっかんあるのかなあとは思うものの、ストーリーは比較的すっきりとまとまっていて、ソーそのものの物語として完結しています。また、地球の科学者の面々とアスガルドの物語とが微妙に交錯し、グリニッジでのラストバトルに集結する流れも悪くない。ジェーンはもうちょっと科学者的に活躍しろよという気もするけれど……。そういえば今回は(地球側では)舞台がイギリスで、 S.H.I.E.L.D. の面々はまったく登場しなかった。第1シーズンはやっぱり映画『アベンジャーズ』に集結させるためにいろいろなくすぐりを入れていたけれど、もうその必要がなくなったという面もあるかな。映画としての出来がシリーズの方向性に引きずられすぎてないのは良いですね。

映像的にもなかなか見応えがあり、ファンタジー然とした剣と盾との戦いだけでは終わらないし(それにしてもアスガルドの人たちが盾と剣で迎え撃つのに敵がビーム兵器的なもので攻撃してくるシーンはちょっとシュールだなーと思いましたがw)、にやりとさせられるようなユーモアはふんだんにあり、ファン的には満足の行くものかと。

個人的には、お母さんが活躍するシーンが良かったなあ。なぜか剣を逆手持ち。カッコイイ!

それにしてもソーの英語はけっこう聞き取りづらい。たぶん日常的にはあまり使わない擬古的なかっこつけの単語をバリバリ使ってるからなんだろうけれど。まだまだだのう。

なお、今回はエンドクレジットとスタッフロールが分かれていて、おまけシーンが2つあるので長いスタッフロールでも席を立たぬようご注意。にしても、ちょっとやりすぎな気がするなぁ。

さて、「アベンジャーズ」の次は『キャプテン・アメリカ:ウィンターソルジャー』! これは原作も面白かったのでかなり楽しみです。

2013-11-11

谷甲州『星を創る者たち』



星を創る者たち (NOVAコレクション)

大森望編のアンソロジーシリーズ《NOVA》で掲載されていた「宇宙土木シリーズ」3本に加え、25年ほど前に《奇想天外》誌で書かれていた3編の改稿、さらに完結編となる書下ろし「星を創る者たち」を足した連作短編集。

ざっくりとしたあらすじを書けば、宇宙空間のあちこちで行われる大規模土木工事がいろんな事件・事故に遭遇し、その場の人々が問題に対処していく、というもの。

だが、SFとしての新味というか、斬新さのようなものはない。最初の「コペルニクス隧道」こそ、月の砂という舞台に立脚したガジェットがでてくるものの、この設定はかなり『渇きの海』オマージュであるように思う。それ以外の作品でも、舞台は火星や水星、金星、などなどいろいろと変わるし、起こる事件は大きかったりするのだが、物語や設定じたいは比較的地味であり、すごく斬新に、宇宙であることがポイントとなるような物語には、じつはあまりなっていない。

この本の妙味というべきところはむしろ、巨大プロジェクト系SFというかインサイダーSFというか、そういった部分であろうと思う。時代が未来で舞台が宇宙であっても、巨大プロジェクトを運用する巨大組織のなかであがきながらなんとか物事を先に進めていく人々の物語、として読んだ。

わかりやすい組織対個のような対立構造でもなく、単純にみんなが集まってチームになるのでもなく、巨大な組織とそのなかである個人、というものを描いたSFって最近あんまり多くないかもな、だがまあ良いものだ、と本書を読んで改めて思った。

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などと思って読んでいると、ラスト「星を創る者たち」で完全に足元をひっくり返される感じを味わうのだが……!

正直なことを言って、この展開でこのラストはねえよ、とちょっと思うぐらい急激に「エスエフ」していてすごい。この本のオチをこうする必然性はあるのか?とかいう疑問はあるが、その疑問も押し切るレベル。

2013-11-02

SlimFold という超薄い財布に移行した

財布ネタ。少し前にkickstarterで見つけて支援したSlimFold microという超薄い財布が届いたので使ってます。
空のカード入れと中身入りのSlimFold。SlimFoldのほうが薄い
SlimFoldは、タイベック(特殊加工の不織布)を素材に使用してるのが特徴で、革製のものと比べると異常な薄さと軽さが実現できています。だけどちゃんと耐久性があり、ふつうに財布として使えます。見た目はかなり紙とかそういうものっぽいのがちょっと面白い。

ここまで薄いと、むしろ中に入れるカードの厚さのほうが支配的なので、何が入ってるかによる気もします。ひとまず、前に使ってたマネークリップ兼カード入れより薄いので移行しました。

ただ、アメリカ人がアメリカ人むけにデザインした物体なので(?)、たとえば薄い財布みたいに小銭いれはついてません。お札とカードのみ。しかも今回ぼくが買ったmicroは小型のデザインで、カードは3枚しか入りません(うち1枚はID用なので、実質2枚)。さすがにこれはどうなんだろ?という気はしますが、買ってみたのでひとまずこれで行こうかなと。

むかし財布をなくすことを考えていたところからすると結局もとに戻ったという気がしますが、まあ世の中そんなもんですかね。

なお、サイトでもオリジナル版のSlimFold(でかいけどいっぱいカードが入るっぽい)は$20で売られてます。

ところで隅っこに Designed in California / Made in USA とプリントされているのがちょっと厨っぽいというか流行りなんスかねえ……。