2014-03-16

The Lego Movie!! これは良いものだ

The Lego Movie 観てきました。これは良いものだ。

まあでもねえ、たとえば、宇宙飛行士のヘルメットのアゴのところが割れとるわけですよ(笑)。とかいう段階で「うおおお」てなります。なるよね? あそこ、やっぱよく割れるんだろうなあ。

ストーリーじたいは単純で、なんてことない普通のひとであるエメットが、ひょんなことから世界のすべてを凍結してしまう恐ろしい兵器である kagle を封じるものをくっつけてしまい、伝説にある「マスター・ビルダー」と誤解され、世界の行く末をめぐる戦いに巻き込まれる……というもの、なのだけど……。

このレゴ世界と、現実との微妙な対応関係が面白い。この作品は、そういうストーリーをレゴをつかって表現したストップモーション作品じゃなく、微妙に現実世界との関わりがかいま見える箇所がある。マスタービルダーという存在がそうだし、kagleの正体もわかってみればなんてことないものだ(まあレゴ世界から見たら大層なものだろうが)。

そして……ネタバレをせずに描くのは難しいけれど、この現実との微妙な対応関係が、話のある段階から大きな転換を迎えて、クライマックスに至るわけだけど……これが良いのだ。とても。こういう話になるのかー!と感心した。

いや、おすすめ。

2014-03-12

Andy Weir "The Martian" --- 火星で決死のサバイバル。翻訳しないかな



Andy Weir "The Martian" を読んだけど、たいそう面白かった。

NASAによる人類初の有人火星計画「アーレス」。その3回めのミッションに参加したマーク・ワトニーは、ミッション6日目にして人生最悪の日を迎える。

その日、探査ミッションを嵐が襲ったのだ。風速は想定を越え、危険が伴ったため、ミッションは中断。クルーは全員で火星を脱出し、地球に帰還することになった。

マークを除いて。

嵐のさなか、マークは事故に遭って姿が見えなくなり、通信が途絶してしまっていた。バイタルサインも失われた。死んだのだ、と誰もが思った。だが生きていたのだ、すくなくとも6日目に死んだりはしていなかった。ひとり取り残されたマークのもとにあるのは、残った基地の設備と、放棄された糧食のみ。設備が壊れたら死ぬし、糧食を食べ尽くしても餓死。地球や他のクルーへの通信手段もない。誰にも気づかれないまま、マークは決死のサバイバルを開始するが……。

といったあらすじ。

物語は、このマークが書き残したという日誌という形式で始まる。その後はちょっといろいろあるけれど、大部分は彼の視点で、しかも1日の終わりに書いた日誌というかたちで物事が記述されていく。

これが面白い。食料はどう確保するか? そもそも、どうやったら生き延びられるのか? 基本的には、次の計画である「アーレス4」の予定は決まっているので、そのときまで生き延びられ、彼らとコンタクトが取れれば生還できる。だがどうやって? しかも、アーレス4の着地予定地点まではかなり離れていて、そこまでたどり着くことすら至難の業に思える。

状況は刻々と変化する。トラブルも次々に起こる。しかも、一息ついたらまたデブリが飛んでくる、みたいな一本調子なトラブルではなく、状況の変化に応じて多彩な問題が起こり、それを様々な方法で解決していくので、読んでいて飽きさせない。

少しネタを割ると、地球側の描写も序盤を少し過ぎたぐらいから入ってくる。火星探査用の人工衛星はあるので、それで撮影した衛星写真から、マークがどうやら生きているらしい、ということはわかるのだ。だが、地球からもコンタクトする手段はない。したがって地球側としても見ているよりほかにはやりようはなく、とにかくアーレス4の計画を早めるしかない。だが、間に合わないのではないか。そもそも予定より早めて問題はないのか……。

などなど。

作者のAndy Weirは、一言で言うと宇宙マニアみたいな人らしく、本作ははじめて書いたデビュー作。というか、実は2011年に自費出版していたものの再販ということらしい。作中の描写やトラブルの内容などは、したがって非常にリアル。非常にリアルだが地味ではなくて、主人公はほんとにそれ死ぬだろ……みたいなすごいトラブルに遭遇しまくる。

こういう宇宙ネタやサバイバルものって日本でもウケは良いと思うので、どこか翻訳したら良いんじゃないでしょうか、と思いました。

2014-03-08

her/世界でひとつの彼女

『her/世界でひとつの彼女』を観てきました(→日本の公式サイト

なぜか予備知識がほぼなく「コンピュータのオペレーティングシステムの声に恋をする男を描いた物語」というコンセプトしか知らなかったので『ラースと、その彼女』(傑作!トレイラーとりあえず見るべし)みたいなタイプの映画なのかと思ったら、なんとびっくりSF映画でしたw

ただでも、その、この映画はそういう映画ではなかったけれども、この映画はこの映画として傑作でしたね。面白かった!

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この世界では携帯デバイスに対しておもに音声ですべての処理を行っていて、コンピュータと会話するようにいろんな処理をする。そこにやってきた最新型のOSは超進化したパーソナルアシスタント的なやつで、もうほんと個性を持った個人みたいに会話が成立しちゃう。主人公は奥さんと離婚調停中で、仕事が終わったら家でひとりゲームをしているような人。

ただ、孤独な中年が狂っちゃうようなステレオタイプないじり方とは少しちがう。主人公も主人公なりの生活がそれなりにあって、周囲もきちんと描かれる。なんというか、うまく表現はできないけれど、こういう設定で想起されるような「社会不適合的な性向のある人」という描き方ではなく、もちろん何もかもが上手くいっているわけではないけれども、こう、なんというか、ごくふつうの人なのだたぶん。周囲も、「恋人ってOSなんだよね」みたいなことを言うと戸惑ったりはするけれども、「まあそういう人もいるかな」ぐらいの感じで受け入れていたりする。

とはいえ、個人的には物語よりはディティールを楽しんだ映画で、ディティールがよくできてていちいち面白かった。主人公のプレイするゲームの描写とか、そのゲームに登場するキャラが生意気だけど可愛かったりとか、ママゲームがヒドかったりとか(爆笑します)、いろいろあってサマンサを主人公が責めるシーンのセリフまわしがいちいち「浮気された男が浮気症の女を難詰する」風にハマっちゃってるところとか(笑えます)。

主人公の住む未来の都会風の映像(上海ロケらしい)がなかなか雰囲気があって良かったり、海岸や雪山に旅行したりするシーンも美しい。などなど。

いや、面白かったです。

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あとどうでもいいけど主人公の元妻というか離婚調停中の妻(ルーニー・マーラ)が無駄に可愛い。この映画では別にあんな美人を使わなくてもいいのでは。

あとサマンサの声はスカーレット・ヨハンソンなんだけど、声だけで身体はまったく出てきません。

2014-03-02

シリコンバレーでコーヒーを飲む

ぼくは昔っからお茶ばっかり飲む人間でコーヒーとは無縁でした。実家でも家族がみな朝にコーヒーを飲む中で茶を淹れる日々。

アメリカに来てからも、ちょうどミツワという日本スーパーの中にルピシアが出ているのを知ってからはそこでお茶をあれこれ買って会社や家で愛飲しております。

が、やっぱりアメリカに来るとコーヒーが美味いな、となります。とくにここ10年ほどでサードウェーブコーヒーというのが勃興しており、コーヒーのクオリティが良くなっている(らしい)というのもあるのかもしれません。浅煎りで香りの立つコーヒーが美味しい。

ただ、サードウェーブとして有名なコーヒーというと(ベイエリアでは)、Blue Bottle、Ritual、Sightglass、Four Barrelなどなんですが、どれもサンフランシスコを中心としており、シリコンバレーあたりには支店がありません(余談ながら、サンフランシスコ市内とシリコンバレーの地理的中心は60km以上離れてます。東京都心から厚木ぐらいは離れてるので、そういう距離感だと思っていただけると幸い)。サンフランシスコまで行った際に寄るならいいんだけど、やっぱりカフェというのは身近なところに日常通うものかなと思うわけです。

それでこの辺のカフェをいくらか回ってみて、やっぱりこう、ダークローストのふつうのコーヒーを出すところも多いんですが、南のこの辺にも僕好みのサードウェーブっぽい美味しいコーヒーを出すところもあるのはわかりました。でもまあほかにも美味しいカフェ情報を教えて欲しくて、とりあえず手元のデータを晒してみてフィードバックを求めたい所存です。

あ、サードウェーブといえばラテアートもだいじっぽいんですが、ぼくは最近はストレートのブラックコーヒーを飲むことが多いです。

1. Red Rock

マウンテンビューのダウンタウンにあるカフェ。Four Barrelのコーヒー豆を使っています。コーヒーは作りおきですがかなり美味しい。日替わりでコーヒーの種類が変わるみたい。雰囲気もよく、wifiが配備されていて、たまに2階ではミュージシャンが演奏してたりします。

シリコンバレー界隈の人たちがよく集っているようで、Macで作業してる率が半端ないです。そういう方面に詳しい人であれば良いかもしれませんが、反面いつ行ってもすごく混んでいるという難点はあります。

こないだFacebookに買収されたWhatsAppも初期はここで開発してたらしい、と新聞記事に書いてありました。

2. Philz Coffee

パロアルト、クパチーノ、サンノゼなど、サードウェーブ系のコーヒー屋さんとしては比較的広めに展開しているところです(本店はサンフランシスコ)。注文するとその場でコーヒーを淹れはじめるところが面白い。

コーヒーの種類もたくさんあるんですが、実はふつうのコーヒーは頼んだことはなく、いつもスペシャルティコーヒーを頼んでしまいます。個人的なお気に入りはミントモヒート(↑)。

いま調べてたらFacebookオフィス内にも出店してるらしい。ちょっと羨ましいw

3. Chromatic Coffee

サンタクララのStevens Creek沿いにあるコーヒー屋さん。1店舗のみで支店などの展開はなし。自分のブランドのコーヒー、マイクロロースティング、注文したら淹れはじめる、などなど典型的なサードウェーブコーヒーかなと思います。

Googleでの評価が高いのでこないだはじめて行ってみたんですが、けっこう気に入りました。コーヒーは美味しいです。席数はさほどでもなくwifiも入ってましたが、あまり激混みではありません。場所がすごく便利ではないからかなぁ。

4. Bellano Coffee

同じくStevens Creek沿いのコーヒー屋。サンノゼにも支店があるらしい。小さな店で、今日行ってみただけですがコーヒーは美味しいと思います。自前ブランドの豆も売ってるようす。

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とまぁ、こちらからは以上ですが、どこかオススメはありますでしょうか。