2013-07-22

メカが嫌いな男子なんていません!『パシフィック・リム』

To fight monsters, we created monsters
パシフィック・リム』、最高でした。(日本語版公式サイト

ええっとなんていうか、ここで「最高」という場合、ストーリーの良し悪しというのは、問いません。でもなんというかこう、ああーこういうシーンが撮りたかったんだろうなというか、こういうシーンが好きなんだろうなというか、そういうシーンがてんこ盛りの2時間であります。っていうか、ほぼそれしかない。

太平洋の海底のどこかから突如として怪獣たちが出現しはじめ、それが kaiju (カイジュウ)と呼ばれるようになり、人類は総力を結集して巨大人型ロボット、イェーガーを作り出して怪獣に対抗することになった。マスタースレーブ方式で操作するのだが、単独で操縦するのは脳に対する負荷がかかりすぎるため、二人一組となって一体のイェーガーを操作する……といった基本的な設定の紹介は、開始5分ほどでナレーションで紹介されておしまい。あとはまあ、基本的にはイェーガーとカイジュウたちとの戦闘また戦闘、たまに設定紹介、そして戦闘、といったノリであります。

そういうわけで、見どころはやはりタンカーを手にカイジュウをぶん殴るシーンであったり、「まだ方法は残ってる!」で剣を抜いたり、そんなかんじだと思うわけです(しかもこのソードがまた、いわゆる蛇腹剣なんですよ。鞭状態では武器にしないけど)。でも剣もってたら最初からそれ使えよタンカーとかじゃなくてさ……いやいやいや。そういうことではない。たぶん。

じっさい、ストーリーとか設定とかのアラはいろいろある気がするんですよ。電力を止めるカイジュウが最強すぎじゃないかとか、いくら核エネルギーベースだからって主人公機も内部駆動は電力だし出撃できないだろ、っていうかハンドシェイクは基地の設備でやるじゃん、とかなんとか。どうでもいいけど、中国製イェーガーとかロシア製イェーガーが思わせぶりに登場したわりにまったく活躍しなさすぎて残念とか。棒術で訓練するのってそんなに意味あんのかとか(まあタンカーの伏線だと思いますけど)。

そういえば、中国機(クリムゾン・タイフーンというらしい)が機敏で4本腕のトリックスター系なのに対してロシア製(チェルノ・アルファ)が鈍重だが分厚い装甲による高い防護力、みたいなステレオタイプイメージはどうしてそうなのかよくわからんけど面白いなーとか。

ま、よかれあしかれ、そーゆー映画であります。ウィキペディアのページから批評をいくつか拾い読みすると、心理描写が弱いといった批評があるようですが、そういうことを言う奴はなにもわかっちゃいない。そもそもそんなものを期待してこんな映画見に行くやついない。誰もがなんかすごいメカが怪獣と戦うシーンを見に行くわけで、その期待は確実に満たされるといっていいと思います。むしろそれ以外は何も期待をするなと言いたい。精緻なSF設定ではないので、心理描写以外にもヘンなところはいっぱいあると思いますが(そういえばイェーガーって格納時にはそのまま保管されてるのになんで出撃時にだけわざわざ頭部をパイルダーオンするんだろ?とかそういう)、まあそれも味わいというやつです。

そういえばヒロイン役の菊地凛子の回想シーンでの日本のシーンがちょっと微妙にヘンだった(笑)。わざとやってるのかあれは、「萌&健太ビデオ」とか(町山智浩さんもツイートしてた。やっぱみんな気づくよな)。ナンバープレートも日本のじゃなかったしなー。

ところで、タイトルは元ネタと語調をあわせるために「メカ」としましたが、デル・トロ的にはやっぱり怪獣映画ということなんだと思います。BGMもカイジュウ登場シーンにはなんか怪獣映画っぽいテイストのが使われていたし、スタッフロールの最後でも、レイ・ハリーハウゼンと本多猪四郎へ献辞が捧げられていました。

というわけで、いまさら言うことでもないですが、この手の映画好きはマスト見るべしですよ!

さっそく Play Store All Access で入手したサントラを聴きながら。

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