2015-05-08

アマゾンにKindle Singlesが来てる

なんかいつのまにやらKindle Singlesが日本にも来てるみたいですね。キンドルで短編〜中編程度の長さのものが読める。99〜399円くらいぽい。

4本ほど読んでみた。

パイオニア・アノマリーは、宇宙機パイオニアの軌道データを調べていた科学者が説明のつかない加速を観測し……という事件を追ったノンフィクション。
オチはちょっとガッカリだったけど、科学ノンフィクションとしてはなかなか面白かった。ノイズの多い大量の生データから、いかにして必要な情報を取り出して意味を見出すか、という統計処理的な話は、よくある科学のおはなしでは無視されがちだけれどけっこう大事な話なんだよなあ、というあたりもなかなか良いかな。
リスを実装する、は円城塔の短編小説。ヴァーチャル世界に生きるリスを実装する男の話。円城塔としては普通の話という気がする。まあまあ。短いのですぐ読めます。
私はヒゲ女は、自身の体毛の濃さにコンプレックスを感じている女性記者の人が女性の剃毛についていろいろ書いたエッセイみたいな話。ちょっと自分の体験談が長くて、うーんどうなんだろう……と思ったが女性だったらそこが読みどころなのかな。もう少し歴史的な話や異文化の話も盛り込んだほうが個人的には好みだったかと思う。訳は良いけど、個人的にはあんまり好きではないタイプ。でもオチはちょっと良かった。表紙がちょっと強烈です。
この街からは本谷有希子の短編。まあ普通に文学。こういうのに対する感度がないからかわからんが、可もなく不可もなく。

といったラインナップ。ラノベもあるし、エンタメもあるし、ノンフィクションもある。そこそこ良いような気がする。

ところで、いったいこのラインナップはどこから来ているのだろうか。少なくとも初期ラインナップで頼まなくても作家が書くということはないだろうから依頼して書いて(提供して)もらったのだろうけれど、誰が選んでるのか。校正みたいな編集業務は誰がやってるんだろう。

あとノンフィクションについては何故か日本の書き手はいまのところおらず、すべてアメリカからの翻訳のようだ。日本の作家については最悪作家から提供されたデータをそのまま流し込めば作れるのかもしれないけれど、翻訳の場合は、誰かが翻訳権を取得や作品選定、翻訳者のコーディネートのような仕事をしないといけないはず。アマゾン社内か委託の編プロでそういうのやってるのかな。そっちの仕組みのほうが興味深いな……。