2012-12-04

チューニョを作ってみた

前に高野豆腐を作ったときに最後に言及したチューニョという食材を作ってみました。どうでもいいことですが、前に書いたときは微妙にいい間違えをしてました。
スープで煮込んだ。詳細は下記

ところで今回は写真をあんまり撮ってませんでした。使えねーな俺……。

さて、チューニョとは何かというと、じゃがいもを冷凍して脱水することで作るヤツのことです。東北地方でも凍みイモといって似たような食い物があるのだそうな。

高野豆腐は豆腐を凍らせて解凍してを繰り返してスポンジ状の食感を作り、ギュッと絞って脱水し、乾燥させて作ります。チューニョも基本の製法は一緒です。原産地(?)では、冬にその辺に放置しておくと凍結し、朝になると自然解凍し、ということになります。解凍したイモを足で踏んづけて脱水していくのだそうです。

北カリフォルニアは年中あったかいので、その辺に放置しても凍ることはないため、普通に冷凍庫に入れて凍らせ、朝になるとその辺に取り出して自然解凍させ、というのを実施しました。足で踏むのはさすがに抵抗があるので、手でぎゅっと絞ったり、上に皿をかぶせて膝立ちみたいな感じで体重をかけたりして、脱水をしていきました。これは確かにちょっと楽しい。

ある程度の脱水が済んだら、絞ってももうあんまり水分は出て来なくなります。そうしたらその辺に放置して、1週間ほどしたらかなり乾燥していました。

などと書いていますが、実はこれ、いっぺん失敗しました。なんか上に重しをして放置したら脱水が進むかなと思って試してみたところ、絞って出てきた水分に漬け込むかっこうになってしまい、漬物臭を発する物体となってしまい、泣く泣く捨てました。そういう余計なことはせずにその辺に放置するのがよいと思われます。

とにかく手で絞って乾かしてを繰り返すと、本体はシワシワになり、握り込むときの関係で皮がめくれてベロベロになります。皮がめくれて空気が触れている表面部分は黒く変色します。大してうまそうには見えない。
シワシワで黒い
こうなると完成ですが、食べる前にはまず、これを水に一晩ほど漬け、戻す行程が必要です(↑の写真は一瞬水につけた後、「写真いちおう撮っとくか」と撮ったもの水滴がちょっと見えるのはそういう理由です)。脱水したのに戻す……まあ乾物とはだいたいそういうものですかね。
戻したあと。あんまり変わってない
さて、戻すとどうなるかというとこうなりました。大きさ、あんまし変わってない……。写真を見比べるとシワは減ってるような気がします。ただ、水分を含んでいるものの、瑞瑞しさもさっぱりありません。じゃがいもらしさもありません。切った断面など、強いて言うとバナナに似ている感じ。なんかねっとりしてるし。あんまり戻ってないんじゃないかなあこれ……という気分。

でもまあヤバイ臭いはしないし食えそうだ。というわけで、炒めるよりは煮込む感じかなーと、ベーコンとキャベツとコンソメの素で煮込んでみました、というのが上の写真となります(やたら黒いですがそういうスープの素なのです。でもちょっと濃すぎた)。

適当に煮たあとでしばらく冷まして含め煮、ということにしましたが、冷ましている間に急激にスープを吸い込んだらしく、いきなりほぼ元と同じぐらいのサイズにまで肥大化しててビビりました。スープは中まで染み込んでおり、まあまあうまい。スープにしてからもすぐ食べず、一日ぐらい置いておくといっそう美味しかったかもしれない。確かに煮崩れることはなさそう。

イモっぽい食感もありつつ、ねっとりともしていて、独特っちゃ独特だし、スープを吸うので美味しいといえば美味しい。

けどまあ、わざわざ手間暇かけるほどの食いもんじゃないのは確かです。たぶんもう二度とやらん気がしますが、実験としては楽しかったので良しとしましょう。スーパーとかで売ってたら買ってもいいんでしょうが……まぁでもわざわざ買うほどでもないか、戻すのめんどいし。